ビーフン食べて片足持ってかれた話
新橋駅前ビル1号館にある老舗のビーフン店「ビーフン東」。
たまたま近くであった用事を終えて家路を辿る道すがら、無類のビーフン好きである私は久しぶりに新橋にあるこのお店に立ち寄りました。
ビーフンを看板に掲げているお店はここだけだと思います(ホームページのアドレスもbi-hunだし…)。
また、このお店のビーフンは通常の焼きビーフンと、汁に浸かった汁ビーフンがあり、それもまた珍しいです。
それで、今回は蟹玉の汁ビーフンを注文。
汁ビーフンはライスヌードルの一種の米線(ミーシェン)とも違う、ここでしか食べたことがない食べものです。
弾力のある細いビーフンを、コクのある薄味のスープが包み込んでいます。
また、その上に浮かんだ蟹玉は、玉子がトロつきあげる絶妙な半熟の仕上がり。
中に入っている蟹のほかに椎茸も風味豊かで、自然と顔に笑みが広がります。
あと、ビーフンのほかにこのお店に来た時に必ず食べるのが中華ちまき(バーツァン)です。
ボリュームのあるもち米の中に豚の角煮やうずらの卵、ピーナッツなどの具材がゴロゴロ埋まっています。
ちまきといっしょに汁ビーフンのスープも啜れば、うまさ倍増。チャクラが開き、見えない力を得ます。
JR新橋駅にて
ビーフン東を出て、新橋駅から電車で帰る時のことでした。
ちょうど帰宅ラッシュと電車の遅れが重なり、到着した山手線の車内は超満員で、乗り込もうとするも弾かれ、ホームに押し戻されてしまいました。
「次の電車に乗るか…」と思ったとき、違和感を感じました。
履いていた片方のスニーカーがすっぽり脱げて、車内に取り残されていたのです。
…は?(゚Д゚)
気がついた時にはすでに遅く、ドアが閉まりました。
目の前の扉の向こうにいる人が置き去りにされた私の靴に気がつき、ギョッとした顔をしながら靴と私を交互に見ています。
そして無情にも発車する電車。
マ?(゚Д゚)
過密状態になった乗客と、片方だけの自分の靴を乗せた列車を見送りながら、しばらくボーゼンとしていましたが、やっと我にかえって発車した時刻を確認。
駅事務所(ホームにある詰め所みたいなところ)に行き、駅員さんに経緯を説明しました。
落としたのは何車両目か聞かれたのですが、よく覚えていませんでした。
すると「お忘れ物のご案内」という紙切れを渡され、見つかったら当日中に電話するが翌日以降は自分で電話するように言われました。
いま思えば山手線なのでその場で動かず1時間くらい待っていれば1周して回収することもできましたが、その時は途方に暮れつつもその場を後にして、ひとまず駅から出て靴を探すことにしました。
そのまま街に飛び出した、彷徨った、
といっても場所は新橋駅周辺。このビジネスの地にABCマートとか見当たりません。
そのときの私は片方スニーカーで片方靴下の状態。
残された靴の分だけ靴を履いていない方の足と高低差があるので、少し足を引きずるような、若干カイザーソゼみたいな歩き方で周辺を探索することに。
しばらく歩いていくとSUIT SELECTはありましたが、わざわざ革靴買うのも…と思っていると、通りの向こうにファミリーマートの看板を発見。
何かないかと入ってみると、サンダルが売っていました!
すぐさま購入してさっそくその場で装備。無事にこの難局を切り抜けることができました。
靴を探している道中は心のうちで自嘲しながらも、広瀬康一のエコーズACT3の能力によって片腕に重力がかかり、シアーハートアタックを回収しに行かなくてはならなくなった吉良吉影になったような気分になり、少しアガりました。
後日談
翌日の朝、非通知でJRの駅員さんから電話がありました。
靴が発見されたことと、控えの番号を伝えられ、身分証明書を持って東京駅の遺失物センターまで保管している靴を取りに来るように伝えられました。
というわけで、営業が終了する20時の少し前に東京駅に到着。
目指す東京駅の遺失物センターこと「お忘れ物承り所」は、八重洲北口から日本橋口までの食堂街を抜けた果てにありました。
窓口まで長い行列ができているのを見て驚きましたが、このブログを書いたりして待っていると30分ほどして自分の番になり、用紙に名前と住所を記入して提出。控えの番号と免許証を確認してもらって無事に靴を受け取ることができました。
JRの駅事務所とお忘れ物承り所の職員の方には親切に対応していただき、ありがとうございました。