天津楊戩

天津飯って、実は二郎神じゃない?
料理の天津飯ではなく。
ドラゴンボールって、初期と後半でだいぶ雰囲気が違いますよね。
サイヤ人やフリーザが出てくるあたりから、物語は一気に宇宙規模にスケールアップしていきました。
でも、その前――まだ悟空たちが“地球の武道家”だったころの世界には、どこか中国っぽい神話の匂いが漂ってたと思うんです。
そんな時代に登場したのが、天津飯。
僕は前から思ってました。「この人、二郎神(楊戩)がモデルなんじゃないか?」って。
その三つ目、ただ者じゃない
天津飯といえば、やっぱり額にある“第三の目”。
普通の人じゃまず持ってないし、あれが開いたときのただならぬ雰囲気、カッコよかったですよね。
で、この「三つ目」って、実は中国の道教の神様、二郎神(楊戩)のシンボルなんです。
彼も額に天眼(てんがん)を持っていて、妖怪の正体を見破ったり、未来を見通す力があると言われています。
『西遊記』では、天界最強クラスの神である楊戩が、暴れ回る孫悟空を力でねじ伏せた。そして『ドラゴンボール』でも、天下一武道会で孫悟空に勝って優勝した天津飯であった。この“孫悟空に勝った男”という構図が、両者を重ねるヒントになるのかもしれない。
偶然?いや、さすがにこれは偶然じゃない気がしてます。
鶴仙流って、めちゃくちゃ道教じゃない?
天津飯は、鶴仙人の弟子。
チャオズと一緒に出てきたとき、「ただの武闘家じゃないな」って思わせる雰囲気がありました。
気功砲、四妖拳、太陽拳、分身、空中浮遊の舞空術も、どれも仙人っぽい“術”っぽくて。
これもまさに、中国の道教や仙人伝説を思わせる設定ですよね。
楊戩も、玉鼎真人の弟子にして道教で祀られている“法力高強”な神様。似てるんです。
実はチャオズが“嘯天犬”ポジ?
二郎神には、「嘯天犬(しょうてんけん)」っていう相棒の神犬がいるんです。
天津飯には犬じゃなくてチャオズがいますが、バディとして常に隣にいて、戦いを支えてる存在。
…これはこじつけかも?でも、ちょっと連想しちゃいますよね。
宇宙編が始まる前の、“地上の神話”
ドラゴンボールがサイヤ人編に突入すると、天津飯たちは徐々に出番が減っていきました。
でも、その前の物語――初期〜天下一武道会あたりまでは、天津飯って明らかに特別な雰囲気を持ったキャラだったと思うんです。
なんというか、まだ「神話」が息づいていた時代というか。
悟空が如意棒を振り回してた頃の、あの世界観の中でこそ、天津飯の「三つ目」は輝いてた気がするんですよね。
鳥山先生とは、もう答え合わせできないけど
もう、鳥山明先生に「天津飯って二郎神がモデルですか?」って聞くことはできません。
だけど、自分なりに考えて、見えてきたことがある。
天津飯の中には、確かに“神様の残り香”があった。
それが楊戩かどうか、100%確証はないけれど――あの三つ目を見たとき、小さい頃の僕の中の神話センサーが確かに反応したんです。
だからこれは、僕なりの“勝手な解釈”として大切にしていきたい。
「天津飯=二郎神」説、ちょっと面白いと思ってもらえたなら嬉しいです。
こういう“もしも”を考えるのも、作品を楽しむ醍醐味ですよね。
書いてる最中、町中華の天津飯を食べたくなってきました。余談ですが、こちらの天津飯は中国由来のメニューではなくて日本で開発された中華風日本料理です。